
採用した人に長く働いてもらうためには、「入社後にどう迎えるか」も大切です。
「採用した人が、なかなか職場になじめない」
「仕事を教えているつもりなのに、入社後すぐに辞めてしまった」
そこで知っておきたいのが「オンボーディング」です。
オンボーディングとは、新しく入社した人が仕事や職場に慣れ、周囲との関係をつくりながら働けるように支援する取り組みのこと。
難しい制度を導入することだけがオンボーディングではありません。
例えば、
「最初の1か月に何を覚えてもらう?」
「困ったときは誰に相談してもらう?」
「いつ本人と話す時間をつくる?」
こうしたことをあらかじめ決めておくことも、オンボーディングの一つです。
今回は、中小企業でも取り入れやすい5つの取り組み例を紹介します。
目次
① 入社初日だけでなく「最初の3か月」を考える

入社初日は、
・会社や施設の説明
・社内ルールの説明
・仕事内容の説明
・社員への紹介
など、やることがたくさんあります。
しかし、オンボーディングは初日だけで終わりではありません。
例えば、
入社初週
→ 職場や仕事の基本を知る
1か月後
→ 基本的な仕事を覚える
2か月後
→ 一人でできる仕事を増やす
3か月後
→ できるようになったこと、困っていることを振り返る
というように、「いつ頃までに、どんな状態になってほしいか」を考えておきます。
ポイントは、入社後を「なんとなく仕事を覚えてもらう期間」にしないことです。
② 「仕事を教える人」と「相談できる人」を決める
新しい職場では、仕事そのもの以外にも分からないことがあります。
「この書類は誰に聞けばいい?」
「休みの相談は誰にすればいい?」
「こんな小さなことを聞いても大丈夫?」
こうした疑問を抱えたままにしないためにも、
「困ったときは、まず○○さんに聞いてください」
と相談相手を明確にしておくと分かりやすくなります。
教育担当者と相談役を必ず別の人にする必要はありません。
大切なのは、新しく入った人が「誰に聞けばいいか分からない」状態をつくらないことです。
③ 入社する人だけでなく「迎える側」にも伝えておく
オンボーディングというと、新しく入る人への説明や研修を考えがちです。
しかし、受け入れる社員側の準備も必要です。
例えば入社前に、
「○月○日に新しい人が入社します」
「最初は○○の仕事を担当してもらいます」
「○○さんに仕事を教えてもらいます」
と共有しておきます。
何も知らされていない職場に突然新人が来るよりも、事前に分かっていた方が周囲も声をかけやすくなります。
「新人が職場になじむ」のを待つだけでなく、
「職場側から迎える」
という考え方も大切です。
④ 1週間後・1か月後などに話す時間をつくる
入社初日にすべて説明しても、実際に働いてみないと分からないことがあります。
そこで、入社後に定期的に話す時間を設けます。
ただし、
「仕事には慣れましたか?」
だけでは、
「はい、大丈夫です」
で終わってしまうかもしれません。
例えば、
「分からないままになっていることはある?」
「誰に聞けばいいか迷ったことはあった?」
「入社前に想像していた仕事と違ったところはある?」
など、少し具体的に聞いてみます。
問題が大きくなってから気づくのではなく、小さな違和感の段階で話せる機会をつくることがポイントです。
⑤ 入社した人の「困った」を次回に活かす
オンボーディングは、一度つくったら完成ではありません。
例えば3か月後に、
「入社したとき、何が分かりにくかった?」
「最初に知っておきたかったことは?」
「困ったことはあった?」
と聞いてみます。
もし、
「社内システムの使い方が分からなかった」
という声があれば、次に入社する人には最初に説明する。
「他部署の人が分からなかった」
のであれば、社員紹介の時間をつくる。
実際に入社した人が困ったことは、次のオンボーディングを改善するための材料になります。
まずは「入社初週」を見直してみよう

オンボーディングを始めようとして、
「研修制度をつくらないと」
「マニュアルを全部整備しないと」
と考える必要はありません。
まずは、新しく入社する人の「最初の1週間」を想像してみてください。
初日に誰が迎える?
↓
会社や仕事は誰が説明する?
↓
最初に何をしてもらう?
↓
困ったときは誰に聞く?
↓
1週間後に誰が話を聞く?
この5つにすぐ答えられるでしょうか。
答えに迷うところがあれば、そこが自社のオンボーディングを見直すポイントです。
まとめ|「新人がなじむのを待つ」から「会社が迎える」へ
オンボーディングという言葉は少し難しく聞こえますが、やることは意外と身近です。
・入社後の予定を決める
・相談できる人を決める
・受け入れる社員にも共有する
・定期的に話を聞く
・入社者の声を次回に活かす
こうした小さな取り組みの積み重ねです。
今回、一つ覚えておきたいのは、
「新しく入った人が、自分から職場になじむのを待たない」
ということ。
「入社した人が安心して仕事を覚えるために、会社側で何を準備できる?」
という視点から、自社の受け入れ方を見直してみましょう。
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