
「転職回数が多いと、やっぱり採用では不利になる?」
転職を何度か経験している人なら、一度は気になったことがあるのではないでしょうか。
実際、以前ある企業の採用担当者から、応募してきた求職者についてこんな話を聞いたことがあります。
「人柄は悪くないんですが、転職回数が多いのが気になっていて……」
その求職者はこれまで何度か転職を経験しており、今回応募した仕事も未経験でした。
企業側としては、一から仕事を教える必要があります。そのため採用担当者は、
「採用しても、また短期間で辞めてしまわないだろうか」
という点を心配し、採用するかどうか迷っていたそうです。
それでも選考は進み、求職者は面接へ。
ところがその後、採否が決まる前に、求職者本人から辞退の電話があったそうです。
結果的に、このケースでは企業側が採用・不採用を決めるところまではいきませんでした。
ただ、この話から分かることがあります。
企業が転職回数を気にすることは実際にある。一方で、「転職回数が多い=その時点で不採用」とも限らないということです。
では、転職回数はどのくらいから多いのでしょうか。そして企業は、転職回数の何を気にしているのでしょうか。
目次
実際、みんな何回くらい転職している?
「転職は3回まで」などと言われることがありますが、転職回数に明確な合否ラインがあるわけではありません。
2024年の転職者1,500人を対象とした調査では、これまでの転職回数は次のようになっています。
| 転職回数 | 割合 |
|---|---|
| 1回 | 32.7% |
| 2回 | 23.3% |
| 3回 | 16.3% |
| 4回 | 8.8% |
| 5回 | 8.8% |
| 6~7回 | 4.1% |
| 8~10回 | 4.2% |
| 11回以上 | 1.7% |
この調査では、2回以上転職している人が67.3%、3回以上でも44.0%となっています。
もちろん、これは転職者を対象にした調査なので、「日本で働く人の44%が3回以上転職している」という意味ではありません。
ただ、転職を2回、3回と経験すること自体は、それほど珍しいものではないことが分かります。
ではなぜ、冒頭の採用担当者は転職回数を気にしていたのでしょうか。
企業が心配するのは「またすぐ辞めない?」
企業側が気にしているのは、履歴書に書かれた転職回数そのものだけではありません。
その数字を見て、
「なぜ何度も転職しているんだろう?」
そして、
「うちに入社しても、また辞めてしまわないだろうか?」
という疑問が生まれることがあります。
企業は採用した人に仕事を教え、少しずつ業務を任せていきます。
特に未経験者を採用する場合は、一から仕事を覚えてもらう必要があります。
そのため、
「時間をかけて育てても、短期間で退職してしまうかもしれない」
という不安が、採用判断に影響する場合があります。
冒頭の採用担当者が気にしていたのも、まさにこの点でした。
同じ「転職3回」でも見え方は違う

ここで重要なのが、転職回数だけでなく「在職期間」です。
例えば、
Aさん
45歳・転職3回
それぞれの会社で5~10年程度勤務
Bさん
25歳・転職3回
半年~1年程度での退職が続いている
どちらも転職回数は3回です。
しかし、採用担当者が履歴書を見たときに感じることは同じとは限りません。
Bさんの場合、
「なぜ短期間での退職が続いているんだろう?」
と気になる可能性があります。
一方、Aさんの場合は、転職回数が同じでも、一つひとつの会社である程度長く働いていることが分かります。
つまり、
「転職○回だから多い」
と数字だけを見るのではなく、
年齢 × 転職回数 × 在職期間
まで含めて考えることが大切です。
未経験への転職なら、さらに「なぜ?」を考えておこう
冒頭のケースでは、転職回数に加えて「未経験の仕事への応募」という要素もありました。
もちろん、未経験だから不利とは限りません。
ただ、採用する企業からすると、
未経験
→ 一から仕事を覚えてもらう必要がある
転職回数が多い・在職期間が短い
→ 長く働いてもらえるか分からない
という2つの不安が重なる場合があります。
逆にいえば、未経験の仕事に挑戦する人ほど、
「なぜこの仕事に挑戦したいのか」
だけでなく、
「なぜ今回は長く続けられると思っているのか」
まで整理しておくとよいでしょう。
自分の履歴書を「採用担当者の目」で見てみよう
転職回数が気になる人に、ぜひ一度やってみてほしいことがあります。
自分が採用担当者になったつもりで、履歴書を見てみることです。
例えば、
「1年 → 8か月 → 10か月」
と短期間での退職が続いていたら、
「なぜ短期間で辞めているんだろう?」
と思うかもしれません。
毎回違う職種へ転職していたら、
「この人は、どんな仕事をしたいんだろう?」
未経験の仕事に応募していたら、
「なぜ今、この仕事に挑戦したいんだろう?」
と思うかもしれません。
自分の履歴書を見た採用担当者が「ここを聞きたい」と思いそうなところ。
そこが、面接前に準備しておきたいポイントです。

面接では「辞めた理由」だけで終わらせない
例えば、短期離職について聞かれて、
「仕事内容が合わなかったので辞めました」
と答えたとします。
これだけでは採用担当者に、
「今回も仕事が合わなかったら辞めるのでは?」
という疑問が残るかもしれません。
そこで、
「前職では仕事内容を十分に確認せず入社してしまい、想定していた仕事との違いがありました。その経験から、今回は仕事内容や働き方をよく確認したうえで、長く働ける会社を探しています」
と説明すれば、今回の転職についても伝えられます。
ポイントは、過去の転職を無理に正当化することではありません。
「なぜ辞めた?」
↓
「そこから何が分かった?」
↓
「だから今回はどう会社を選んでいる?」
という流れで考えることです。
転職回数は変えられない。でも、次の転職は変えられる
過去の転職回数や在職期間は、今から変えることはできません。
だから、
「転職が多いからどうしよう」
と悩み続けるより、
「次の転職をどうするか」
を考える方が大切です。
特に短期間での退職を経験している人は、
・仕事内容は自分に合っているか
・給与や休日などの条件に納得できるか
・勤務時間や通勤に無理はないか
・職場について分からないことはないか
・なぜこの会社で働きたいのか
などを、応募前や面接でしっかり確認してみましょう。
「とりあえず内定が欲しい」ではなく、「ここなら長く働けそう」と思える会社を探すことも、転職活動では重要です。
まとめ|転職回数が多いと不利になることはある。でも、それだけでは決まらない
冒頭で紹介した採用担当者のように、求職者の転職回数を見て、
「採用しても、また辞めてしまわないか」
と心配する企業は実際にあります。
その意味では、転職回数や短い在職期間が選考で不利に働く可能性はあります。
一方、その求職者も転職回数だけを理由に選考から外されたわけではなく、実際に面接まで進んでいます。最終的には、採否が決まる前に求職者側から辞退するという結果になりました。
採用は「転職○回ならアウト」という単純なものではありません。
だからこそ、転職回数が気になる人は、
「何回転職したか」
だけを気にするのではなく、
「自分の職歴を見た採用担当者は、何を心配するだろう?」
と考えてみてください。
そして、その疑問に自分の言葉で答えられるようにしておく。
過去の転職回数は変えられませんが、次の会社選びと、これまでの経験の伝え方は変えることができます。
福井県で仕事を探している方へ
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