
「欠員が出てから慌てて求人を出している」「募集しても、なかなか求める人材を採用できない」。
そんな採用の悩みを減らすために大切なのが、求人を出す前の「採用計画」です。
採用計画というと難しく感じるかもしれませんが、基本は「なぜ・誰を・何人・いつまでに・どうやって採用するか」を整理すること。
今回は、採用計画の基本的な立て方に加えて、実際の採用活動で気を付けたいポイントを紹介します。
目次
採用計画を立てる5つのステップ
1.まず「なぜ採用するのか」を明確にする
最初に決めたいのは採用人数ではなく、採用する目的です。
例えば同じ「営業職1名募集」でも、
- 退職者を補充したい
- 売上拡大のため営業力を強化したい
- 将来の営業リーダーを育てたい
では、採用すべき人材が変わります。
単に「人が足りない」で終わらせず、採用した人に入社後どんな役割を担ってほしいのかまで整理してみましょう。
ここが曖昧だと、その後の求人票や選考基準も曖昧になりやすくなります。
2.採用条件を「Must」と「Want」に分ける
次に、採用したい人物像を考えます。
ここでありがちなのが、
「営業経験3年以上」
「業界経験者」
「○○資格保有」
「マネジメント経験もほしい」
など、各部署の希望をすべて条件に入れてしまうことです。
条件を増やすほど理想の人物像には近づきますが、該当する求職者は少なくなります。
そこで、条件を次の2つに分けてみましょう。
Must(必須条件)
入社時点で必ず必要な経験・資格・スキル
Want(歓迎条件)
あれば望ましいものの、入社後に身につけることもできる経験・スキル
例えば営業職なら、
Must:普通自動車免許、顧客対応の経験
Want:法人営業経験、同業界での勤務経験
という考え方もできます。
「本当に入社時点で必要なのか?」と一つずつ確認することで、必要以上に採用対象を狭めることを防げます。
3.「いつまでに」から逆算する

採用計画では、人数だけでなく入社してほしい時期まで決めます。
例えば、
「営業職1名を11月までに採用したい」
と決めたとします。
この場合、11月になってから求人を出すのでは遅い可能性があります。
求人掲載から応募、書類選考、面接、内定までには時間がかかります。さらに応募者が在職中なら、内定後に現在の勤務先で退職手続きや引き継ぎが必要になることもあります。
そのため、
入社希望時期 → 内定 → 面接 → 応募 → 求人掲載
と逆算して考えるのがポイントです。
採用が必要になる時期が分かっている場合は、できるだけ早めに準備を始めましょう。
4.「誰を採用したいか」から募集方法を考える
求人サイト、ハローワーク、人材紹介、自社採用サイト、SNS、リファラル採用など、採用方法にはさまざまな選択肢があります。
重要なのは、「いつも使っているから」だけで決めないことです。
例えば、経験者をピンポイントで採用したい場合と、未経験者まで対象を広げて採用したい場合では、適した募集方法や求人の見せ方も変わります。
まず「誰に求人を届けたいのか」を決め、その人が仕事を探すときにどのような方法を使うのかを考えてみましょう。
採用方法とあわせて、求人掲載費、広告費、人材紹介料など、採用に使える予算も整理しておきます。
5.面接前に「何を見て採用するか」を決める

意外と見落としやすいのが、採用基準です。
面接をしてから、
「感じが良かったから採用したい」
「経験はあるけど、なんとなく合わない気がする」
と判断してしまうと、面接官によって評価が変わってしまいます。
求人を出す段階で、
- 経験・スキル
- 仕事への姿勢
- コミュニケーション
- 自社の仕事内容への理解
など、面接で何を確認するのかを決めておきましょう。
特に複数人が面接する場合は、評価するポイントを共有しておくことが重要です。
採用計画でありがちな3つの失敗
計画を作る際は、次のような状態になっていないか確認してみましょう。
① 理想を求めすぎている
条件を増やしすぎると、応募できる人そのものが少なくなります。「入社後に育成できるものはないか」という視点も必要です。
② 採用活動を始めるのが遅い
「○月に人が必要だから、○月から募集する」では間に合わないことがあります。必要な時期から逆算して準備しましょう。
③ 求人を出したら結果を待つだけになっている
応募が少ない状態が続いているのに、同じ求人をそのまま掲載し続けても状況が変わらない場合があります。
求人の閲覧状況、応募数、面接数などを確認し、どこに課題があるのかを考えることが大切です。
採用計画を簡単に整理してみよう
採用活動を始める前に、まず次の項目を書き出してみましょう。
採用目的: なぜ採用する?
募集職種: どの仕事を任せる?
採用人数: 何人必要?
入社希望時期: いつまでに必要?
Must: 絶対に必要な条件は?
Want: あれば望ましい条件は?
募集方法: どこで求職者に届ける?
選考方法: 誰が、何を基準に判断する?
これだけでも、採用活動の方向性がかなり整理できます。
まとめ|「求人を出す」前に採用の設計を
採用計画で大切なのは、最初から完璧な計画を作ることではありません。
「なぜ採用するのか」「誰を採用したいのか」「いつまでに必要なのか」を明確にし、実際の応募状況を見ながら改善していくことが重要です。
「応募が来ないから求人媒体を変えよう」と考える前に、そもそもの採用条件やスケジュールに無理がないか、一度確認してみましょう。
求人を出すことを採用活動のスタートにするのではなく、求人を出す前の設計から採用活動は始まっています。
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