
転職活動で、履歴書と一緒に提出することが多い「職務経歴書」。
いざ作ろうとすると、
「これまでの仕事内容を全部書けばいい?」
「アピールできるような実績がない」
「何をどこまで詳しく書けばいい?」
と迷う人も多いのではないでしょうか。
職務経歴書で大切なのは、華やかな実績を並べることではありません。
採用担当者が知りたいのは、
「これまで、どんな仕事をしてきたのか」
「何ができるのか」
「その経験を自社で活かせそうか」
ということです。
つまり職務経歴書は、経歴をすべて説明するための書類ではなく、
「この経験なら、うちでも活かせそう」
と採用担当者に想像してもらうための書類です。
今回は、自分の経験をどう整理し、どう書けば伝わりやすくなるのかを紹介します。
目次
履歴書と職務経歴書は何が違う?
まずは、2つの書類の役割を整理しておきましょう。
履歴書は、氏名や学歴、職歴、資格などの基本情報を伝えるもの。
職務経歴書は、
「その会社で何をしてきたのか」
を詳しく伝えるものです。
例えば履歴書に、
2022年4月 ○○株式会社 入社
と書いてあっても、その人がどんな仕事をしているのかまでは分かりません。
そこで職務経歴書に、
・担当していた業務
・仕事の範囲
・役割
・身につけたスキル
・実績や工夫
などを書きます。
履歴書が「どこで働いてきたか」なら、職務経歴書は「そこで何をしてきたか」。
同じ職歴を書く書類でも、役割は違います。
採用担当者は職務経歴書のどこを見る?
職務経歴書を書くとき、
「自分をよく見せなければ」
と考える必要はありません。
採用担当者が知りたいのは、その人の経験と募集している仕事が合っているかどうかです。
例えば製造スタッフなら、
「どんな製品を扱っていた?」
「どの工程を経験した?」
「機械操作や検査の経験はある?」
事務職なら、
「どんな書類を作っていた?」
「Excelを仕事でどう使っていた?」
「受発注や電話対応の経験はある?」
営業職なら、
「法人?個人?」
「新規?既存?」
「提案から受注後のフォローまで担当した?」
といった情報が判断材料になります。
「営業経験あり」「事務経験あり」だけでは、仕事の中身までは伝わりません。
採用担当者が、
「この人には、こんな仕事を任せられそう」
とイメージできる情報を書くことが大切です。
まず「やってきた仕事」を全部出してみる
いきなり職務経歴書を書き始めると、何を書けばいいか迷いやすくなります。
まずは文章にせず、これまでやってきた仕事を箇条書きで出してみましょう。
例えば事務職なら、
・電話、来客対応
・受発注入力
・見積書、請求書作成
・Excelでの売上集計
・営業資料作成
・備品管理
・新人への業務説明
などです。
この段階では、
「こんな普通の仕事は書かなくていい」
と決めつけないこと。
自分にとっては日常的な仕事でも、応募先から見れば必要な経験かもしれません。
まず全部出す。
その後、求人票を見ながら、
「応募先でも活かせそうなのはどれ?」
と選んでいきます。
「○○を担当」から、もう一歩具体的に

職務経歴書で差が出やすいのが、仕事内容の具体性です。
例えば、
「法人営業を担当」
だけでは、実際に何をしていたのか分かりません。
これを、
「福井県内の既存顧客約30社を担当。定期訪問、商品の提案、見積書作成、受注後のフォローまで対応」
とすると、仕事の姿が見えてきます。
ポイントは、
「何を?」
「誰に?」
「どのくらい?」
「どこまで?」
を考えることです。
事務職なら、
「営業事務を担当」
↓
「営業担当5名をサポートし、受発注入力、見積書・請求書作成、顧客からの電話対応を担当」
製造職なら、
「製造業務を担当」
↓
「金属部品の加工工程を担当。材料のセット、機械操作、加工後の寸法確認、外観検査まで経験」
となります。
数字にできるのは、売上や契約件数だけではありません。
担当人数、顧客数、対応件数なども、仕事の規模を伝える材料になります。
数字にできない仕事は?
数字にしづらければ、「工夫したこと」を思い出してみましょう。
例えば、
「新人教育を担当」
↓
「教える内容に差が出ないよう作業手順をまとめた資料を作成し、新人教育に使用」
とすれば、
「新人教育をした」
という事実だけでなく、どのように仕事を進めたのかまで伝わります。
大きな表彰や目立つ成果がなくても、
「普段の仕事で工夫したこと」
は十分、職務経歴書に書ける材料です。
最初の「職務要約」で経歴をつかんでもらう
職務経歴書の冒頭には「職務要約」を入れることがあります。
ここでは細かい仕事内容をすべて説明するのではなく、
「自分は何をしてきた人なのか」
を短くまとめます。
例えば、
「大学卒業後、○○株式会社に入社し、約5年間法人営業に従事。福井県内の製造業を中心に既存顧客約30社を担当し、商品提案、見積書作成、受注後のフォローまで経験してきました。」
これなら、
経験年数
職種
顧客
仕事の範囲
を最初に把握できます。
転職回数が多い人にも職務要約は有効です。
例えば3社で事務職を経験しているなら、
「3社で約8年間、一般事務・営業事務に従事。受発注、請求書作成、顧客対応を中心に経験」
とまとめれば、
「転職を3回した人」
だけではなく、
「8年間、事務経験を積んできた人」
という経歴全体が見えやすくなります。
応募先によって「見せる経験」を変える

職務経歴書は、一度作ったものをそのまま全社に提出する必要はありません。
経歴を変えるのではなく、
「どの経験を詳しく見せるか」
を変えます。
例えば同じ営業経験でも、
A社「新規顧客の開拓経験を歓迎」
なら、新規顧客へのアプローチや提案経験を詳しく。
B社「既存顧客との関係構築を重視」
なら、定期訪問やフォロー経験を詳しく。
応募先によって、知りたい情報が違うからです。
未経験職へ応募するときも同じです。
接客業から事務職への転職なら、
電話対応
売上入力
在庫管理
スタッフ間の情報共有
など、職種が変わっても活かせる経験があります。
「同じ仕事をしたことがある?」
だけで考えず、
「応募先でも使えそうな経験はある?」
と探してみましょう。
そのためにも、職務経歴書を書くときは求人票を横に置いておくのがおすすめです。
経験が浅い人は「今、何ができるか」を書く
社会人経験が短いと、
「職務経歴書に書くことがない」
と感じるかもしれません。
そんなときは、
「何年働いたか」
ではなく、
「入社した頃と比べて、何ができるようになったか」
を考えてみましょう。
例えば、
入社直後
「先輩に確認しながら受発注入力」
↓
現在
「受注から入力、見積書作成まで一連の業務を担当」
なら、
「入社後、受発注システムへの入力、電話対応、見積書作成を経験。現在は一連の受発注業務を一人で担当」
と書けます。
経験年数が短くても、
「今、何ができるのか」
が具体的なら、採用担当者は入社後の仕事をイメージしやすくなります。
完成したら「30秒」で読んでみる
職務経歴書が完成したら、誤字脱字を確認するだけでなく、一度「採用担当者のつもり」で見てみましょう。
おすすめなのが、最初からじっくり読まず、30秒ほどでざっと見ることです。
そして、
「この人は何をしてきた人?」
「どんな仕事を任せられそう?」
に答えられるか確認します。
答えが見えないなら、仕事内容が具体的でない可能性があります。
逆に、たくさん書いてあるのに分かりにくいなら、重要な経験が情報の中に埋もれているのかもしれません。
応募先と関係の深い経験は詳しく。
関連の薄い経験は簡潔に。
職務経歴書は、長ければ詳しいとは限りません。
「伝えたい経験がすぐ見つかる」
ことも大切です。
まとめ|「何をしてきたか」から「何を任せられそうか」へ
職務経歴書を作るとき、
「アピールできる実績がない」
と悩む必要はありません。
まず、これまでやってきた仕事を出してみる。
そこから、
何を担当した?
誰を相手にした?
どのくらいの規模だった?
どこまで任されていた?
どんな工夫をした?
と具体的にしていきます。
そして、応募先の求人票を見ながら、
「この会社なら、どの経験を活かせそう?」
と考える。
職務経歴書で伝えたいのは、
「私はこんなにすごい人です」
ではありません。
「私は、こんな仕事をしてきて、今これができます」
ということです。
最後に、自分の職務経歴書を見て問いかけてみてください。
「この書類を読んだ採用担当者は、私に何を任せられそうだと思うだろう?」
その答えが見える職務経歴書を目指してみましょう。
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